ゆれる



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Cast
早川猛:オダギリジョー
早川稔:香川照之
早川勇:伊武雅刀
岡島洋平:新井浩文
川端智恵子:真木よう子
丸尾明人 検察官:木村祐一
船木警部補:ピエール瀧
裁判官:田口トモロヲ
早川修:蟹江敬三

Director
西川美和

Story
東京で写真家として成功し、自由奔放に生きる弟・猛(タケル)。
母の葬式にも顔を出さなかった彼は、その一周忌に久々に帰郷し、そこで父と共にガソリンスタンドを経営する兄・稔と再会する。
猛は頑固な父とは折り合いが悪かったが、温厚な稔がいつも2人の間に入り取りなしていた。
翌日、兄弟はガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷に足をのばす。
ところが、川に架かる細い吊り橋で、智恵子が眼下の渓流へと落下してしまう。
そして、橋の上には呆然とする稔の姿が。
橋の下にいた猛は惨事に気づき、動揺する稔のもとに駆け寄り落ち着かせる。
兄弟の証言から、最初は不幸な転落事故と思われたが、数日後、稔が突然“自分が突き落とした”と自供したことから、事件の真相を巡って裁判へともつれ込む。
猛は弁護士である伯父を立て、稔の無実を晴らそうと努めるが…。

感想
オダジョー狙いで借りてきた1本。
TSUTAYAで、このDVDのジャケットを見て、“あ、なんだか誰かに似てるジョー”と思い、映画を観出していくうちに、“あ、誰かに似てると思ってたけど、それはオリヴィエの弟のヴァンサン・マルティネスだったんだぁ~”と、改めて何故にあたしがオダジョーに惹かれていくのか納得。。。。
ま、そんなことはどーでもいーのだっ。

でも、この映画をレンタルする際に、オダジョーの兄貴役が香川照之ってのがなんだかなぁ~~。な感じだったのですが、やっぱし香川照之は演技が上手いのであった。
だから、オダジョーの兄貴役でも許す。
ま、この作品の設定自体がまるで正反対の兄弟ってことだからな。
それにしても香川照之の演技の上手さは当たり前ですが、それと対等に猛役をこなしてるオダジョーも絶品でした。

内容自体は兄弟愛というよりは、逆に血を分けた兄弟だからこその微妙な嫉妬や憎しみがギリギリの線まで描かれたのが怖くて良かった。
全体的に観る側の自由な解釈で理解してもらえばいいですよ。な感じも、ともすれば置いてけぼり感さえ与えかねないかもしれないけど、そこもまたギリギリの感じで良かった。

父親と兄が経営するスタンドで稔と智恵子の様子を見て、嫉妬した猛の心の揺れ。
しかし、その智恵子と寝た後の智恵子に対する冷めた態度。
全てはそこから兄弟の確執が始まってるのではないでしょうか。
智恵子の部屋から実家に戻った時に稔が猛に背を向け、洗濯物を畳んでいる姿はまるで浮気して帰宅した夫に対する妻の姿の様ですごく怖かったし、その時の会話で稔が仕掛けた罠に嵌ってしまう猛の関係もこれは後になってわかることだけどすごく怖いのです。。

実際のところ、あの吊橋で起きた事実は稔以外誰も知らないわけで、、、
橋の下にいた猛はその光景を目にしたはずなのに、、、
何故に猛は稔の元に駆けつけた時、稔のあの腕の傷を見た筈なのに、咄嗟にその傷を稔のシャツの袖を伸ばし、その傷を隠す様な行動に出たのでしょうか?
その猛の行動を虚ろに悲しげな顔で見てる稔は、この時点で今後の自分のとるべき行動を確信するのではないでしょうか?

お薦め度  ★★★★★★★★★☆